世の中には「お金の教科書」があふれています。しかし、ファイナンシャルプランナーが教えるような「節約術」や「NISA活用法」といった話は、あくまで「表」の教育に過ぎません。
本当に知っておくべきは、もっとドロドロとした「お金の裏側」です。
今回ご紹介するのは、伝説の金融漫画『ナニワ金融道』の作者・青木雄二氏によるエッセイ、『ナニワ金融道 スーパー不況を乗りきるゼニの実学』です。
本書は、人間の欲望や資本主義の非情な現実を直視し、「いかにして騙されずに金を稼ぐか」という本質に切り込んだ一冊。そこら辺の自己啓発書とは一線を画す、強烈な「ゼニの哲学」が詰まっています。
今回は、本書の中から特に心に刺さる7つの「ゼニの教訓」を引用とともに紹介します。
教訓1:サラリーマンは「賃金奴隷」であると自覚せよ
多くのサラリーマンは自分を「中流」だと思っていますが、著者はその認識をバッサリと切り捨てます。
そういうサラリーマンにいいたいのは、サラリーマンは所詮、本当のところ中流ではなかったということや。いわば賃金奴隷であり、資本主義社会である以上、これ以上は良くならないということを認識する必要があるということや。
【感想】搾取の構造に気づく
これは強烈な一撃です。年収が200万円だろうと1000万円だろうと、雇われている以上は経営者に搾取される「賃金奴隷」であることに変わりはない。この構造的な限界を認識しない限り、本当の意味での豊かさにはたどり着けないと著者は説きます。甘い夢を見る前に、まず現実を見ろということですね。
教訓2:素人は「本業」以外で勝負するな
投資ブームの今こそ、肝に銘じたい言葉です。
結局のところ、やっぱり本業をきっちりやっとかないとアカン、というのが人生の基本やと思う。素人は本業以外の利殖や、儲け話なんかに手を出したらアカンのや。先のわからんことに、借金なんかしてはダメなのや。
【感想】借金投資への警鐘
「レバレッジを効かせて投資用マンションを」といった甘い言葉が溢れていますが、青木流では御法度。地盤である本業が疎かになれば、人生そのものが崩れます。借金をしてまで株や不動産に手を出すのは、投資ではなくギャンブルです。
教訓3:投資で勝つための「3つの鉄則」
では、投資をするならどうすべきか。著者は以下の3点を挙げています。
1.銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっくり待つこと
2.経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強すること
3.過大な思惑は持たず、手持ち資金の中で行動すること
【感想】人の行かない道を行く
皆が騒いでいる人気銘柄に飛びつくのはカモのすること。ライバルが目をつけていない、水面下の優良銘柄を自力で探す。これこそが投資の王道です。楽して儲けようとせず、自分で勉強し続ける姿勢が不可欠ですね。
教訓4:信用を得るための最短ルート
人間関係の真理についても言及されています。
「世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分は相手を疑いながら、自分を信用せよというのは虫がよい話である」
【感想】自分から信じる勇気
これは耳が痛い言葉です。「騙されたくない」と相手を疑ってばかりなのに、「自分は信用してほしい」なんて、確かに虫が良すぎます。まずは自分から相手を信じること。それが信頼関係構築の第一歩です。
教訓5:おいしい話の裏には「罠」がある
詐欺や怪しい勧誘を見抜くための、実践的なアドバイスもあります。
商売人は、あの手この手でやれば必ず儲かると力説してくるが、そんなに儲かるのは自分だけである場合がほとんどだ。また男の客をダマすときは、たいてい女が同伴している
【感想】美人の営業には要注意
他人が持ってくる「絶対に儲かる話」は、持ってきた本人が儲かる話です。特に男性諸君、美人の営業マンや女性同伴の接待には要注意。下心を利用されるのは世の常です。逆に言えば、容姿端麗な人はビジネスにおいてそれだけ強力な武器を持っているということでもあります。
教訓6:プロは「小さな約束」を見ている
本当に信用できる人間かどうか、プロはどこで見抜くのでしょうか。
ベテランはどこを見るかというと、小さな約束を守る人間かどうかという点や。たとえば約束した時間をちゃんと守るかどうか、最初に出した条件をきちんと履行するかどうか。そういうところで小さなウソをつく人間は、信用できない。プロはそう判断するのやね。
【感想】細部にこそ本性が宿る
大きな契約やプレゼンではなく、時間厳守や些細な口約束を守れるか。信用はこうした微差の積み重ねで作られます。「これくらいならいいか」という小さな甘えが、プロの目には「信用できない人間」と映るのです。
教訓7:最後に勝つのは「コツコツ派」
数々の修羅場を見てきた著者がたどり着いた結論がこれです。
コツコツと努力と勉強を惜しまない人間が、最後は成功するということ
【感想】近道などない
結局これに尽きます。一発逆転や濡れ手で粟(あわ)の儲け話など存在しない。ナニワ金融道という泥臭い世界を描き続けた著者だからこそ、この「当たり前」の言葉に重みがあります。
まとめ:お金の「実学」を身につけよう
今回紹介した『ナニワ金融道 スーパー不況を乗りきるゼニの実学』は、綺麗事抜きの「お金の教育」を受けたい人にとって、最高の一冊です。
不況や将来への不安が消えない現代だからこそ、甘い言葉に騙されず、地道に足元を固める「青木流の哲学」が役立ちます。
漫画『ナニワ金融道』ファンはもちろん、資本主義社会を賢く生き抜きたいビジネスパーソンは、ぜひ一度読んでみてください。思考の「芯」が太くなりますよ。
▼今回紹介した本はコチラ
ナニワ金融道 スーパー不況を乗りきるゼニの実学 impress QuickBooks
青木 雄二 著

